PCのストレージ容量が少ない、他のPCやスマホからもデータを見たい、といった諸問題の解決方法の一つとして、NAS (Network Attached Storage) が選ばれることが増えてきているように思います。
いや、全然悪くない選択だと思います。とりあえず買ってきて繋げば使えるし、かんたんですよね。お金もそこまでかからない選択肢かな、と思います。
が、あえてNASではなくPCで、いわゆる自宅サーバで解決してみるのはどう?と僕は思うわけです。というか我が家ではここ数年その運用をしています。ということで我が家のサーバ事情とか、メリット・デメリットなどを書いていきます。
3行でまとめると
- NASもいいけど自宅鯖もいいぞ
- PCだから色々出来るぞ
- 出来ること考えたらコスパいい、気がしているぞ
ということが言いたいだけなのですが、ここから詳しく書いていきます。
スペック紹介
まずは我が家のサーバ機のスペックの紹介を。
CPU | Intel Core i3 8100 (4C4T 3.6GHz) |
CPUクーラー | SCYTHE 虎徹 MarkⅡ |
マザーボード | ASRock H370 Pro4 |
メモリ | DDR4 16GB (8GB x2) |
ストレージ (OS用) | Intel 760p 256GB |
グラフィック | ZOTAC GeForce GTX960 4GB (Nanastaxiaさんからのいただき物!) |
電源ユニット | Seasonic FOCUS 550W(リンクは後継機種) |
ケース | Fractal Design Define R5 |
そんなにスペックモリモリではありません。「サーバ」って聞くとゴリゴリなイメージがありますが、業務用のガチなものでなければ、いわゆる「ゲーミングPC」とかよりはスペック抑えめでも全然問題ありません。むしろ24時間稼働させる前提で考えると、スペックより耐久性などを考慮したほうが良いでしょう(といいつつも自分のチョイスはそこまでこだわっていない)。
グラフィックボードは当初は搭載していなかったのですが、Nanastaxiaさんの不用品処分で運良くいただけたので使っています。オンボードのグラフィックでは出来なかった4K 60Hz出力が出来るようになったので、4Kテレビに繋ぐときに重宝しています。また今後は動画のエンコードなどもNVENCを使っていこうかなと。
何に使ってるの?
- ファイルサーバ
- テレビ録画サーバ
- Webサーバ → nginx
- 音楽ストリーミングサーバ → Airsonic
- VPNサーバ → SoftEther
- Minecraftサーバ
- TVになにか映す用
ファイルサーバ
そのままファイルサーバです。Windows標準の共有機能 (SMB) で構築しています。撮りためた写真やら、iTunesの音楽データやら、その他もろもの過去の遺産たちが保管されています。
ちなみにハードディスクは8TB x3、4TB x2の、合計32TBとなっておりますw 容量が足りなくなったら追加して…を繰り返していたらこうなっていました。
ちなみにバックアップはBackblazeという、PCまるごと容量無制限でバックアップしてくれるサービスを使っています。復元するときにダウンロードの他にHDDなどで郵送してくれるサービスがあるのですが、申込時にHDD代を請求されるものの、そのHDDを返送すれば返金されます。素敵!
テレビ録画サーバ
そのままです。ディズニーが好きなのでキーワードで自動録画、そこから自動でH.264にエンコードさせたりしています。今のところはCPUのQSVを使って高速エンコードしていますが、グラボのNVENCに切り替えようかなあと思ったり。
ちなみに録画した番組はほとんど見ていません。
Webサーバ
Webサーバと書きましたが、他のサーバたちの前に置くリバースプロキシとして使っているのが主です。Let’s EncryptでSSL対応していますが、Windows版のクライアントとかその自動実行がうまく行かなかった(理由は忘れた)ので、WSL上のUbuntuを呼び出してcertbotを動かしています。
音楽ストリーミングサーバ
音楽ストリーミング用にAirsonicを使っています。もとはSubsonicというもののオープンソース版を使っていたのですが、ある時から公開が終了したため、そこからフォークしたAirsonicを使っています。音楽データはiTunesで管理しているものをそのまま読み込ませています。ブラウザで再生するだけでなく、スマホ用にもアプリが色々あるので、外出先で自分の持っている音楽を再生するのに使っています。
…と書きながら調べていたら、2019年からAirsonicからさらにフォークしたJpsonicというものの開発がされている模様。どうやら日本人向けにカスタマイズされているらしい。これは乗り換えてみようかな。
VPNサーバ
VPNサーバはSoftEtherで構築しています。外出先からファイルにアクセスしたいときにファイルサーバをそのまま露出させるのは怖いので、VPNで接続してから扱うようにしています。SoftEtherのプロトコルだけでなくL2TP/IPSecでも動かしているので、スマホから接続もできるようにしています。
ちなみに余談ですが、SoftEtherを80番ポートで待ち受けさせることで、大体どんな環境でも接続できるようになります。このためnginxは443番ポート、httpsのみです。
Minecraftサーバ・TVになにか映す用
あとは友人とかとMinecraftする用にサーバ立てたり、諸々のコンテンツをテレビに映し出すようにHDMI接続したりしています。大体はChromecastすれば済むんですが、未だにそれが出来ないコンテンツとかもあるので…。
なんでNASよりいいの
上に書いたようにたくさんの事をさせることが出来ます。なぜならPCだから。いやもちろん最近のNASは色々進化していてDLNAサーバ機能があったりしますけどね。なんだかんだ細かい設定が出来ずに痒いところに手が届かなかったりとか、欲しい機能が無かったりとか。その点PCはやりたいことの大体は先駆者たちが道を切り開いてくれています。
また容量の拡張性という意味でもメリットがあるなと思っています。HDD自体の質量はNASでもPCでも同じなので変わらないのですが、PCではほとんどの場合、安いマザーボードでもHDDを接続するためのSATAポートが6つくらいはあります。多いマザーボードだともっとあったりします。またSATAポートを増やすためのボードもあります。さらにUSB端子もあるので、外付けHDDなどを接続することも出来ます。
他にも将来的に10GbEで超高速ネットワーク組みたいなとか思っても、NASの場合そもそも非対応だったり、相性問題から高価なネットワークカードが必要になったりします。これもPCの場合は(比較的)安価にクリアしやすかったりしますね。大体のパーツはPC用に作られていますからね。
NASよりよくないところ
単純に手間はかかります。個人的には自作PCは慣れているし、PCを組むという作業自体が好きだったりもするのでなんてことはないのですが、NAS目的で初めてPCを組む、とかだとちょっと手間取ることもあるでしょう。幸いYouTubeなどで細かい手順などを紹介した動画がたくさんあるので、チャレンジしてみるのはいいと思います。ゲーミングPCとかよりは必要なパーツが少なくて済むはずなので、そういう意味では自作PC入門の練習になったりもするかな?
使い方も軌道に乗せるまではすこし手間かかりますね。NASのように電源つないでLANケーブルつないでハイおしまい、ではないので。まぁでも機能面が優れてるからね、仕方ないよね。
あとランニングコスト。電気代はNASより掛かると思います。まぁでも機能面が優れてるからね、仕方ないよね。
つまり何が言いたいの
NAS買うなら自宅鯖しない?
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